Kaakaの世界
ハイキング/国の天然記念物・駒止湿原 編(2009.08.09)
駒止湿原(こまどしつげん)は福島県南会津郡南会津町(旧・田島町)と大沼郡昭和村の境界に位置いる火砕流大地の台形面西部にあるブナ林に囲まれた10あまりの高層湿原(標高1,100m)で、大谷地(約14ha)、白樺谷地(約5ha)、水無谷地(約8ha)の3つの湿原が含まれる。水無谷地は約2万年前と最も古く、白樺谷地、大谷地の順となるそうです。なお、この3つの谷地は木道と道路でつながっています。
<参考>谷地(やち):湿地帯。低湿地。
1970年(昭和45年)に、湿地の植物群落として国の天然記念物に指定された。平成12年の追加指定と合わせ指定面積は約148ha。
駒止湿原には、昭和村側からと南会津町(旧・田島町)側からのルートがあります。
ただし、平成21年8月現在、昭和村側から入る道は 砂利道 ですのでお気をつけて。
今回 私たちは南会津町(旧・田島町)側から入り、昭和村側駐車場で折り返して帰ってきました(2時間45分)。
【 区 間 】 【案内板によれば】
南会津町側駐車場 〜 大谷地 260m 5分〜10分
大谷地内の散策 木道890m 20分〜30分
大谷地 〜 白樺谷地 400m 5分〜10分
白樺谷地内の散策 木道490m15分〜20分
白樺谷地 〜 水無谷地 140m 5分〜10分
水無谷地内の散策 710m 20分〜30分
水無谷地 〜 昭和村側駐車場 350m 5分〜10分
注)大谷地内が一方通路のために、白樺谷地から南会津町側駐車場へは
旧・農道を使用(600m、15分〜20分)。
1.出発 2009年8月9日 午前6時10分
当初、『大峠〜流石山』への山行の予定でしたが、朝からの雨模様のため予定を変更し、春〜初夏のシーズンが過ぎた駒止湿原に行ってきました。
さて、Chanのカーナビでは南会津町側駐車場を設定することができませんでした。
『会津高原だいくらスキー場』(「だいくら」で検索OK)を頼りにし、右上に位置する駒止湿原にG:ゴールを無理やり合わせると、カーナビが チャァ〜ント 案内してくれました。
2.南会津町側駐車場に到着 9時 (東北道・西那須野塩原IC〜南会津町〜)
南会津町から国道289号を駒止トンネル方面に走り、途中「針入地区」にて「駒止湿原」の看板を頼りに右折します。この辺りは、『会津高原だいくらスキー場』のための民宿が多いようです。
赤穂原川に沿った道なりに走ると、『駒止湿原』と書かれた木柱が現れ、その辺りには、監視員がいて誘導していただけます。
駐車場に入ると、 ア!ラッラ 『福島の遊歩道50選/駒止湿原』の標示と、『田島町観光案内図』の看板と監視員の車とが、私達の車を迎えてくれました(田島町は合併し南会津町に)。
監視員の方に聞くと、「5月20日前後の水芭蕉 〜 7月20前後のニッコウキスゲ」、そして「10月の紅葉(黄葉)」以外は 訪れる者が極端に少ないそうです。
と いう訳で 今朝の訪問者は Kaaka & Chan の2名?
さあ、駒止湿原です。
湿原の説明は、すでに終わっていますが、その内容は右の看板に書かれています。
小雨の降る駒止湿原 さあっ! どんなところかな・・・
3.大谷地
『大谷地は、三つの湿原の中で最も面積が大きい。湿原が発達し始めた時期は、おおよそ5千年前で、泥炭層の厚さも1.7mと概して薄い。他の二つの湿原とは異なり、泥炭層と岩盤のうちの間には厚さ1mに及ぶシルト層があり、泥炭が堆積する以前には浅い池や小さな沼沢が断続していたとみられる。
主要部分は、・・・中略・・・、東側は傾斜が緩く、かつての開墾地があり、・・・。』という看板と同時に、「文化財保護法」による植物等の無断採取の禁止を訴える看板もありました。
さあ、駒止湿原が見えてきました。
湿原に入ると 木道 を歩くこととなります。
やっぱり 私達の 貸切駒止湿原 の様子で、コオニユリなどが寂しく? 咲いていました。
その他の植物は、別途スライドショーでご覧ください。
4.白樺谷地
大谷地を抜けると、左写真の標識にたどり着きます。ここは、旧・農道です。
大谷地内が一方通行のため、帰りは右の農道を使います。今回は、白樺谷地に向かうために左折しました。
白樺谷地の入口の看板には『白樺谷地は、大谷地と同じ焼山沢の支谷に発達した湿原であるが、もともと低平な広い谷であったようで、湿原の形も大谷地のように複雑ではない。・・・中略・・・。泥炭層が堆積し始めた時期は、おおよそ15千年前とみられるが、・・・。』と書かれていました。
白樺谷地には 奇妙な形の木々が多く散在しています。
右中央の写真は、内側が焼けた木です。落雷を受けたのでしょうか?
写真をクリックすると 拡大写真がでます。
5.水無谷地
「水無谷地」の看板は、南会津町側駐車場側からは、昭和村側駐車場への出口付近にあります。
看板には『水無谷地は、他の湿原とは別の、入冷湖沢(いりりょうこざわ)の谷頭に発達した湿地である。南北に細長い湿地であるが、・・・。・・・中略・・・。その発達の始まりは三つの湿原のうち最も古く、およそ2万年前とみられている。・・・中略・・・、現在の景観となったのは数100年前とみられる。
・・・中略・・・。駒止湿原では、戦後の深刻な食糧不足に対応して大規模な開拓がおこなわれ、ブナ林もほとんど伐採された。・・・中略・・・。』と書かれていました。
6.昭和村側駐車場 10時20分
南会津町側駐車場と違い、昭和村側駐車場には監視員がいませんでした。また、砂利の駐車場で、取付け道路も砂利です。
後で紹介しますが、ここへの連絡道路は「玉川林道」となります。
7.水無谷地(帰路)
8.白樺谷地(帰路)
9.旧・農道を利用し駐車場へ
大谷地の入口まで戻ってきました。
右写真の奥が、南会津町側駐車場側の最初の湿原「大谷地」ですが、大谷地内は一方通行となっておりますので、旧・農道を利用して駐車場まで戻ることになります。
駒止湿原では、戦後の深刻な食糧不足に対応して大規模な開拓がおこなわれたとの資料があります。その時に使用した農道?が今でも残っています。
農道を進んでいくと、8月9日の駒止湿原に秋が訪れているのが ススキの穂 で感じました。
8月末ともなると、もっと多くのススキが見られ、10月には 草紅葉(落葉樹たちような華やかさはありませんが、草紅葉も秋の風情があっていいとも紹介されています)が待っています。その時に、また訪れてみたいものです。
やっと駐車場への連絡道が見えてきました(右側の写真)。
10.南会津町側駐車場
あれっ! 来たときは 私たち二人の貸切駒止湿原 だったんですが、駐車場に数台の車と、数人の方達がいました。 と 云うことは、他の方達は 一方通行の大谷地 にまだいる?ということです。
参考までに、この駐車場の下側に30台強?ほどの駐車場がありますので、昭和村側駐車場と比較し、駐車台数といい、トイレの常設と言い、南会津町側駐車場が設備的には優れているようです(昭和村側駐車場にはトイレはありません)。11時50分、次に向けて出発です。
11.冷湖の霊泉へ水汲みに・・・・ の はずでしたが ・・・???
昭和村役場のホームページ等に、昭和村に数ある清水のなかでも特に親しまれてきた銘水として「寺の下清水」「二階の清水」「矢ノ原清水」「代官清水」「源兵衛清水」「ブナ清水」「白森清水」「天狗ノ冷泉」、そして『冷湖の霊泉』(ひゃっこのれいせん)が紹介されていました。
昭和村側駐車場の近くにあり、苔むした岩の間をさらさらと流れる冷たい清水が冷湖の霊泉で、その昔、干ばつに苦しむ村人たちのために天狗が恵んでくれたという伝説が残る銘水で(天狗伝説)、村一番の清水として紹介されています。また、土用の丑の日に、この水を汲み無病息災を念じる風習があるとの記事もあります。
さて、南会津町側駐車場からは、先ほど来た道をさらに数百m北上すると、左のような看板があらわれます。
しかし、右折する道(玉川林道?)は、ご覧のような状態でした(下の拡大写真)。私達の車では車高が低く、1度チャレンジしましたが車体を擦ってしまい、前に進むのをあきらめました。
そこで、この分岐点の先に止まっていた軽トラに乗った監視員の方に聞いたところ、地元の人が利用する清水がこの下にあると教えてくれました。
軽トラのある場所は、2005年11月に廃業?した『峠の茶屋』の跡地(更地)のようです。
この下に、『茶屋清水』があるというのです。
ありました、茶屋清水です。車道から清水まで階段が伸びていました。
監視員の方もペットボトルを持って来て汲んでいました。とても冷たい水で、感激でした。
帰宅してネット等で調べたのですが、この清水を紹介する記事を探すことができませんでしたので、どんな水なのか 正直不明 です。参考までに、監視員の方は、お茶やコーヒーに使うと言っていました。
・12時20分 水汲み終了 帰路へ
・16時20分 帰宅 (帰りは、すべて一般道(会津西街道〜例幣使街道〜一般国道〜県道〜自宅))