Kaakaの世界 / トレッキング
茶臼岳(峠の茶屋の駐車場〜茶臼岳〜牛ヶ首〜姥ヶ平〜ひょうたん池〜峰の茶屋跡) 編(2009.09.06)
日光国立公園内、栃木県那須町にある複数の火山の総称を那須岳と云います。その中の最高峰で現在も蒸気と火山ガスを盛んに噴出しているのが ハゲ山の茶臼岳(1897m、最高地点は1915m)です。
この他に、切り立った岩壁上の朝日岳(1896m)、緑に包まれた三本槍岳(1917m)、南月山(1776m)、黒尾谷岳(1589m)を加えて那須五岳と総称するそうです。
1.出発 〜 峠の茶屋駐車場(1462m?)(AM6時50分)
4時50分 「峠の茶屋駐車場」を目指して自宅を出発。
ところで、私のカーナビでは「峠の茶屋駐車場」は検索できず、『那須ロープウェイ』で検索して、道なりに進み、県営駐車場を過ぎた「峠の茶屋」の無料駐車場にたどり着きました。
到着して びっくり! 下の県駐車場は空いていたものの、峠の茶屋駐車場の空きスペースは数台です。この日は 栃木山岳会による ゴミ拾い の活動があるとのこと・・・・それで駐車場が・・・。
2.登山開始 7時15分
身支度ができたら、まずはトイレに寄って下さい。この先は トイレ がありません。
そして、登山口の方向に進み、階段での足慣らし。
その先には、「那須山岳防止対策協議会」「那須山岳救助隊本部」共同の入山の届け出が待っています。
ここは、『那須岳登山口』で、茶臼岳登山口ではありません。茶臼岳・朝日岳・三本槍岳などの総称が那須岳だらかです。
歩き始めて間もなく、”一面のササ原”という解説標識とともに、朝日岳(左)と鬼面山(右)との鞍部に生える 笹 の説明標識がありました。
看板【一面のササ原】
『谷の向こうの朝日岳から鬼面山にかけての斜面には、広くササ原が見られます。いったんこのようになると樹木の育成が難しく、長い間ササ原のままでいますが、ササが花をつけて枯れたりすると、林に変わることがあります。
この歩道付近には、チシマザサという、雪の多い日本海側のササが生えています。葉の裏に毛がないのでさわってみてください。雪の少ないふもとに下ると、葉の裏に毛があるミヤコサザに変わります。ササの種類をみればおおよその積雪量がわかるわけです。』
正面に茶臼岳、そして朝日岳?を右手に見ながら足を進めます。
看板【那須の花 エゾリンドウ】
『8月下旬から9月にかけて、このあたりや朝日岳への稜線には、紫色のエゾリンドウの花がさまきす。
「エゾリンドウ」といっても北海道だけでなくこのあたりまで分布しています。花が大きいので、切花用に栽培もされています。
エゾリンドウににた種として、日光などに見られるオヤマリンドウがあります。エゾリンドウは茎の途中にも花をつけるのに対して、オヤマリンドウは茎の先だけに花をつけるので区別がつきます。』
看板【こんなところに「高山植物」が?】
『高山植物は、日光ではおおむね標高2300m以上のところに生育していますが、那須では標高1600mくらいから見られます。この原因としては、火山の噴火の影響が残っていることや、風が強いことなどが考えられます。
三本槍岳から西に三倉山へとつづく尾根は、高山植物が多く夏の美しいお花畑になります。大峠は標高1468mしかないのですが、普通はもっと高いところにあるハイマツやお花畑が見られます。』
3.避難小屋 7時50分
右に剣が峰(1799m)?を見ながら、目の前には峰の茶屋・避難小屋が見えてきます。
避難小屋で まずは、一休み。
この付近は、強風に注意のようです。
一息入れて出発、 この避難小屋は 右に 朝日岳、 左に 茶臼岳 の分岐です。
看板【ジェット機のような音は?】
『那須岳の方から ゴォー という まるでジェット機のような音が聞こえてきます。これは、茶臼岳の噴気孔からガスが噴出している音です。いくつもある噴気孔をさがしてみましょう。』
峰の茶屋から山頂を見て 手前から「奥噴」「大噴」、 山頂右下に「無限」、 山頂駅に向かって「大穴」、 そして牛ヶ首にある「牛ヶ首」が看板に書かれていました。
4.山頂 8時40分 別途スライドショーにて登頂までの様子を掲載しました。ここをクリックしてください。
山頂の温度は16℃でした。
5.ロープウェー山頂駅 9時15分 〜 休憩 〜 スタート 9時30分
今日の予定は、「駐車場〜山頂〜駐車場」でした。
理由・・・ 実は、食料が ミニラーメン だけだったのです。
IC(インターチェンジ)からでなく、PA(パーキング)のスマートICから出たところ、細い現地の道のみで、コンビニが1件もないまま駐車場に到着してしまいました。 と 云うわけで 食料の持ち合わせがありませんでした。
で 山頂から駅を見て思い出したのが ”確か 駅には売店があったはず”でした。子供が小さい時にロープウェー駅から登ったことがありましたので・・・。
下山を始めると ロープウェー駅からの 団体・団体客 の連続です。
駅に行ってみると おにぎり、焼きそば、フランクフルト、・・・、ラーメン がありました。
おにぎり、焼きそば、フランクフルトを買って さぁっ 出発です。
山頂駅の近くには、3つの看板がありました。
看板【那須火山について】
『茶臼岳は、那須火山群の一つで現在噴煙を上げている県内唯一の活火山です。有史以後、茶臼岳の火山活動は約7回を数え、中でも室町時代(1410)初めの活動は、イオウを混じえた火山灰を降らせ、激しい爆発を伴って山崩れや泥流を生じて死者180余人を出しました。
最近の活動は、昭和38年(1963)と比較的新しいものです。』
看板【茶臼岳へ登る】
『茶臼岳へは、砂の道を登ってゆきます、峰の茶屋跡までの道沿いには、噴気孔やカキの殻のような岩、現代彫刻を思わせる面白いもようの岩などが見られます。また峰の茶屋跡の近くには、かつての硫黄採取設備の跡もあります。』
看板【火山の開拓者】
『このあたりは岩や砂礫地(されきち)が多いのですが、こんなところにも植物が入りこんできています。葉の裏が白いウラジロタデやススキににたコメススキ、いかにも高山植物らしいガンコウランなどです。このようなものを開拓者に見立てて「パイオニア植物」といいます。』
山頂駅にて、トイレ休憩 と 食料の調達をして 山頂に向かって歩き出し、途中を左折して 牛ヶ首 へ向かいました。
この辺りには、ひび割れた岩が多く、それを説明する看板がありました。
看板【ひびわれた岩】
『表面が平らな岩をよく見ると、ジグザグの面白い形の割れ目が入っているものがあります。これは、岩の小さなヒビに水がしみこんで、冬に凍ったためにできたものと考えられています。』
看板【噴火のつめあと】
『ところどころに、白骨化した木の幹や枝が落ちています。これは、かつての茶臼岳の噴火のために枯れたハイマツの残骸です。噴火の前は、このあたりもハイマツにおおわれていたものと思われます。』
茶臼岳をバックに こんなところ を歩きます。
6.牛ヶ首 10時 〜10時10分
牛ヶ首には、看板【火山ガスにはご注意を!!】があります。
『那須火山は、現在噴煙を上げている栃木県唯一の火山です。
この火山のほぼ中央に位置する茶臼岳には、直径約100m、深さ約30mの旧火口があります。その西側には無間地獄(むげんじごく)と呼ばれる爆発火口があり、噴気孔から大量の真っ白な噴気があがっています。天気の良い日は、ここからも見ることができます。この噴気には、有毒な硫化水素・二酸化硫黄・二酸化炭素などが含まれています。』
牛ヶ首から見た 姥ヶ平(1696m) です。
さあっ! 姥ヶ平へは、牛ヶ首の噴気孔を左折し、茶臼岳を背にして進みます。
看板【シラタマノキ(白玉の木)】
『高山の岩石地に生える常緑の低木で、茶臼岳周辺に多く見られます。白く丸い実をつけることから、この名前がつきました。その実を指でつぶすとサロメチールのようなにおいがします。
また、よく岩場の上にこんもりと群生しているのを見かけますが それはガンコウランなどにからみついて体を厚くして、厳しい寒さから身を守る工夫をしているのです。』
看板【ハイマツ(這松)】
『地面をはうように群生することから、この名前がつけられました。
乾燥にとても強く、砂礫地(されきち)や岩の割れ目などでも育成します。もっともよく生育するのは、亜高山帯と高山帯の境目なため、ハイマツが出てきたら高山帯の始まりであるという目安にもなります。茶臼岳では1750mくらいから見られるため、他の場所でいう標高2500m地点と同じくらいの厳しい環境であるということがわかります。』
良い写真がなくて、牛ヶ首から姥ヶ平を撮影したさいのものを右に載せました。
看板【熊は怖い動物?】
『数は減ってきていますが、那須山にもツキノワグマがすんでいます。それは熊見曽根(くみまそね)などの地名からもわかります。しかし、ほとんど見かけることはありません。その前に、熊の方が逃げてしまいます。それは、熊が見かけによらずとても臆病な動物だからです。人間が攻撃したり、からかったりしなければ襲ってくることはないでしょう。しかし、一番安全なのは、はち合わせしないことです。そのために、鈴やラジオで音を鳴らしながら歩くようにしましょう。』
7.姥ヶ平(うばがだいら) 10時30分 昼食〜11時20分
看板【姥ヶ平の今・昔】
『かつてこの一帯は、高木類に覆われていましたが、1881年(明治14年)の茶臼岳大噴火で樹木はほとんど枯れてしまいました。まわりに残っている枯木は、その当時に枯れたものです。現在は、背の低いハイマツが広がっています。その他にも、ハクサンシャクナゲやベニサラサドウダンなどの高山植物を見ることができます。
また、秋に姥ヶ平から茶臼岳方面を見ると、素晴らしい紅葉の景色が広がっています。ぜひ一度、ご覧下になってください。』
姥ヶ平の先にある看板を右に曲がり、木道を200m歩くと ひょうたん池 があります。
紅葉時の写真撮影には 良い場所 のようです。
別途スライドショーにて 今回の様子を紹介していますので、ここをクリックしてご覧下さい。
8.分岐 11時45分
分岐点です。 真っすぐが沼っ原 / 右に三斗小屋 で、私たちは三斗小屋方面を目指しました。
間もなく、看板【那須の動物】がありました。
『那須には、ツキノワグマが生息しています。
山が新しいため、森林の発達が悪く、鳥や昆虫の種類は少ない方ですが、三斗小屋跡は例外です。ツキノワグマやキツネなどとともに、野鳥やチョウ類が数多く生息しています。林の中ではガロアムシの産地も点々と発見されています。
また、沼原湿原には、トンボ類が多く生息し、北側の林の中では各種の野鳥が見られます。』
9.御沢 12時05分
まず、御沢の小さな支流を渡ります、いや、マタギます。
そして間もなく、木製の橋を使って 御沢 を渡ります。
すると、間もなく、再び 那須岳 を見ることが出るようになりました。
10.分岐 12時20分
左に三斗小屋、右に峰の茶屋(1.9Km)の標識です。
この道を右に歩き出すと看板【牛が通っていた道】がありました。
『茶臼岳では、かつて噴気孔のガスから硫黄を採取していました。戦前は三斗小屋付近からも木材を牛の背にのせて登山口の精錬所へ運んでいました。この道は当時、牛が通っていた道なのです。』
11.延命水 12時35分
名前を聞くと 病んでいる方に飲ませて 命を延命する水 のようにも聞こえますが、 長く歩いてきた者にとっては この冷たさは 生き返るような水 でした。
500mlのペットボトル3本に入れてお持ち帰りです(これで 焼酎 を割って飲みました)。
12.無間谷 12時50分
この辺りの道は、とても牛が通った道には思えませんでした。
牛が歩いた場合、足の蹄(ひづめ)を痛めてしまいそうな気がします。
13.避難小屋 13時 峰の茶屋まで 500m
看板【広大なダケカンバ林】がありました。
『このあたりから見渡すと、一面に白っぽい幹の林が広がっています。これはシラカンバ(白樺)の仲間でダケカンバ(岳樺)という木です。ダケカンバは日当たりのよいところに生えるので、このあたりはかつて裸地になったことがあると思われます。
シラカンバは幹の色が真白になりますが、ダケカンバは赤味や灰色味を帯びています。また、葉を良く見るとダケカンバは葉脈(側脈)が10対以上、シラカンバは7〜8対くらいなので区別ができます。』
14.峰の茶屋跡 13時10分
多分ですが、Kaakaの後ろの山は「剣が峰」だと思います。こんなところに、お茶屋があったんですかね・・・
この先に進むには、右側が谷底の こんな道 を歩きます。強風時には 細心の注意が必要ですね・・・
15.避難小屋 13時20分
16.駐車場 14時
別途スライドショーにて山頂から下山までの様子を掲載しました。ここをクリックしてください。
帰宅 16時30分